• DUNLOPテントの歴史は、1971年発表の世界初の吊り下げ式テントから始まりました。
  発表当初は、これまでに無かった独特な発想とあまりにもシンプルな構造ゆえに、不安やとまどいを抱くユーザーも少なくなかったことは否めません。その後改良を重ねましたが、その中でも画期的だったのは、軽量で強靭な高張力ジュラルミンポールにショックコードを通し、今までバラバラだったポールを一繋ぎにしたことです。これをテント本体のフックに引っかけるだけで、驚くほど簡単に設営できるようになりました。またカマボコ型やウインパー型が主流だった当時において、シンプルなクロスポールテントの登場は大胆な軽量化・コンパクト化という面でも成功を収めました。
  その優れた機能性に注目したユーザーが増えるにつれ、彼らが実際に体感した評価もまた急速に拡大し、「DUNLOPテント」＝「山岳テントの代名詞」と呼ばれるまでに至ったのです。
  ※右上画像＝DT-7202
  ※右下画像＝初代Vシリーズテント

• DUNLOPテントは過酷を極めるヒマラヤ遠征登山にも多く使用され、その厳しい環境下で耐久性と扱いやすさを実証してきた結果、さらに信頼を深めてまいりました。
  現在の「Vシリーズ」は強靭なテントとして社会人山岳会や学生山岳部で人気がありますが、その礎はこのヒマラヤ遠征隆盛時に築かれたものなのです。
  ※右画像＝Vシリーズテント

• そして2019年、満を持して「よりシンプルに、より軽快に!!」をコンセプトにしたシングルウォールテント、VBシリーズ（PUROMONTEブランド）を発表しました。
  今までのシングルウォールテントの欠点を大幅に改善し、テント泊でライト&ファーストを目指す方々にとって使い心地のよいテントになりました。
  また、2021年にはVBシリーズに前室付きのタイプを発表し、多くのユーザーにご支持いただきました。
  特に1人用は需要に生産が追いつかないほどの人気モデルとなりました。

テントの企画開発において、私たちが一番大事にしているキーワードは「安心」です。その「安心」を確固たるものにするため、日々研究と努力を重ねていると言っても過言ではありません。弊社には年間300件近いテントの修理依頼がありますが、その内容をトータルで分析することにより、新たな改良点が見つかることがあります。「修理」という作業は、自ら企画した製品の再チェックには最良の方法です。
例えばテントの軽量化を考える上では、生地を極端に薄くし、手配できる中で最も軽いポールを採用すれば、大幅な軽量化が実現可能です。しかし山岳テントを企画している私たちはそれをしません。積み上げてきた修理の経験が、「それをするな!!」と警告しているからです。大自然の中には、想定を超える厳しい環境がいくらでも存在します。その中にあっては、「道具」と「人」が力を合わせて戦ってもかなわないことが確かに存在するのです。ですから「大自然に負けない!!」などとは恐れ多くてとても言えません。しかしどんな状況の中でも強力なパートナーになってくれるテント、私たちはそのようなテントを作り上げることを目指しこれからも進んでまいります。