VSシリーズのコンセプト
- 耐久性重視、シンプルイズベスト、オールシーズン安心仕様
- 家を建てる時も土台は一番重要です。テント本体のグランド部分は家でいうと土台です。VSシリーズはこの一番ストレスのかかる部分に75デニールという非常に丈夫な太い糸で織ったポリエステル生地を使用しています。これにより、多少重量は増しますが別売のグランドシートを使用しなくても充分な強度がある、シンプルに使えるテントとなりました。(ただし、別売のグランドシートを使用すれば、汚れや傷からテントを守る事ができます。)
- また、本体をバイアスに裁断し、フライシートはスクエアーに裁断することで、テントを組み立てた時に45度のトラス構造が生まれ、縦、横、斜めのあらゆる方向の風に対して強い剛性を持つテントになっています。(VS-52Aでは効果が得られないため、この構造は採用していません。)
- VSシリーズは、年々加速するテントの軽量化ブームに対する一つのアンチテーゼとして企画しています。弊社に送られくる年間300件近いテント修理品を確認しますと、特に共同装備として管理されているテントにおいて、まさに「大自然の中で使い倒した!」「10年以上のサイクルで使い倒した!」という修理品が多いことに驚かされます。こういう厳しい条件で使用するには、最近の軽量テントではあまりにも荷が重すぎます。しかし、一部のハードユーザーからはそのような過酷さに耐えられるテントを求められていることは送られてくる修理品を見ればよくわかります。
- 「昔のDUNLOPのテントは強かった!」という声をよく耳にします。実際20年以上も昔のDUNLOPテントが未だに現役で使われていて、修理に持ち込まれることも多いのです。VSシリーズは、そのDUNLOPテントの気質を脈々と受け継ぎ「DUNLOPテント=丈夫」という古くからのDUNLOPユーザーの期待に応える為に、あえて軽量化に走らず「長年使えるテント」を目指します。そして、これこそがVSシリーズのコンセプトなのです。
- VSシリーズは、特に社会人山岳会や学校山岳部など、共同装備としてテントを考えているユーザー、さらに長年にわたりテントを使い続けたいユーザー、それに、テントの強度に頼るところの大きい、冬山メインのハードユーザーやテント山行のエントリーユーザーにもお奨めします。
VSシリーズの特徴
- 風に強い
- 通常、吊り下げ式テントはスリーブ式テントと比べて強風に対して弱いと言われています。なぜなら、吊り下げ式テントはフックで本体を支えているため、面で支えるスリーブ式と比べてストレスがフック部に集中してしまうからです。 VSシリーズはこの弱点をなくすため、フックとフックの間を吊り橋状のメッシュパネルでつなぎ、ストレスがフック部のみにかかることが無い仕様にしています。これはVSシリーズがオールシーズン使用可能な強度を持つための重要な特徴です。
- 雨に強い
- テント内では、本体とフライシートが触れ合うことによって呼び水現象が発生し漏水が引き起こされることが多いです。VSシリーズは優れた防水性を得るために、フライシートとテントグランド部にナイロンと比べ水分吸水率の低いポリエステルを使用しています。水分吸水率が低いということは、速乾性に優れ、濡れた時も重くなりにくいということです。また、吊り下げ式では構造上、本体とフライシートの隙間が広くなるため、互いが接触しにくく、呼び水による漏水がしにくいことが利点です。加えて素材的な特徴として濡れてしまったときにポリエステルはナイロンと比べて生地が伸びにくい為、本体とフライシートが接触しにくく、漏水がしにくいことがあげれれます。
- 生地も生産も安心のMade in Japan
- VSシリーズは、国産の生地を国内の工場で生産しています。長年にわたり携わっていただいている熟練の職人さんに、生産から検品まで一貫してお願いすることで丁寧な縫製と質の良い製品の供給が実現できています。またテントにはアフターケアが付きもの・・・というと誤解を招くかもしれませんが、実際、大自然の猛威にさらされるテントは他の登山装備と比べて山行中に破損する可能性の高い製品です。その点、国内に生産の拠点を持つVSシリーズはポールの破損、生地の破れ等様々なトラブルにも、短時間かつ適正価格でアフターケアを行うことが可能です。
商品詳細
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- 3人用以上のテントのこだわりポイント
- テント内の空間がより広く快適になるよう、中間ポールの一部にカーブポールを採用しています。
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- VSシリーズのポリエステル素材へのこだわり
- 濡れた時でもすぐ乾く
- 左図は繊維の吸湿性(一定の条件でそれぞれの繊維がどのくらい水を吸うのか)を表した図です。
ポリエステルは他の繊維と比べ吸収率が低く、このことはテントが濡れてしまった場合でも水分を含みにくいため、重くなりにくいということになります。また水を含みにくいということは「その分乾きが早い」ということがいえます。アウトドアでのテント設営時は晴天でも結露が発生し、テントは必ず水分を含んでしまいます。新品でいくら軽くてもフィールドで軽さを維持しなければ意味がありません。速乾性についても同様なことがいえます。VSシリーズはアウトドアフィールドの使用を考え「重くならずにすぐ乾く繊維」であるポリエステルにこだわりました。
- 紫外線劣化に強い
- ポリエステルは同じデニール数のナイロンと比べると紫外線劣化に強く、特にテントのように軽量化のために、細い糸で高密度に織られている生地ほど顕著に出ます、(劣化は糸の表面から始まるため、太い糸なら表面が劣化しても糸の内部まで劣化するの時間がかかりますが、糸が細いと表面が劣化した時点で内部自体が少ないのでかなりダメージを受けます。さらに、中空糸はさらにひどく表面が劣化した時点で、もともと中身がないので「劣化」という意味がきわめて弱いといえます。)
上記のように「初期強度よりも、耐久強度を重視する」という意味で、VSシリーズはポリエステルにこだわりました。
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- ポール/DAC7001S採用のこだわり
- 風などでテンションのかかりやすいテント上部のポールを太くし、比較的影響の少ないテント下部のポールを細くすることにより強度とテント自体の立上がり(上部の居住感アップ)を保ちつつ、従来のポールと比べ軽量化を実現しています。
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- 出入口構造
- テント入口のファスナーが直線の理由
- 過去30年以上、山岳テントを企画し続けていますが修理依頼のトップはファスナートラブルです。
ファスナーを曲線で使用すると、もともと直線構造のファスナーは何百、何千回と開け閉めするうちにどうしても無理がきて破損の原因となります。
VSシリーズは、ファスナーの負担にならないようにファスナー本来の形である直線ファスナーを使用しています。また、ファスナーを閉めれば必ず、同じ場所にスライダーがありますので、アクシデントで緊急の脱出の必要があるとき(例え夜間でヘッドライトがなくても)に、容易にスライダーを見つけ入り口を開けて脱出することができます。
- 横入口のメリット
- 縦入口、横入口、それぞれメリットがあると思いますが、横入口の場合、前室スペースが広くとれるのと、パネルの角度が急なので雨が吹き込みにくいというメリットがあります。
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- 吊り下げ式テント
- 吊り下げ式テントのメリット
- スリーブ式のようにポールを通す作業がないので強風時などに、テント本体をペグなどで固定してから設営することができます。また、ポールをセットする時に、ほとんど力が要らずに楽に早くセットできます。
さらに、ポールをセットするフックは弊社オリジナルのスクリューフックを採用することで、どちらから風が吹いても想定内の風ならば外れることがなく、想定外の風でフックが破損しそうな時は、破損する前にスクリューフックが自ら回転し破損する前に外れるような構造になっています。
- 吊り下げ式テントの欠点克服
- 吊り下げフックにストレスが集中しないように荷重分散メッシュを採用。
このことでストレスを点ではなく面で受けられます。
- 驚異の設営のしやすさ
- 普通の吊り下げ式テントと異なり、倒立スリーブと新しいハブ付の一体型ポールの採用により、ポールを四隅の倒立スリーブにセットするだけでポールが倒れずに自立し、後はスクリューフックを引っ張るだけ。
設営のしやすさが一層アップしています。
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- 日本製のこだわり
- VSシリーズテントは全て国内の弊社関連工場で生産されてます。その理由は、裁断、縫製が非常に難しい仕様になっていて海外では生産が難しいのです。特に生地を斜めに裁断する本体は、縫製時に伸びてしまい、微妙な調整と職人さんの技術が必要です。そういった細かい技術に対応できる生産工場は海外ではなかなか見つからないため日本の弊社関連工場で一括管理、生産しています。
VSシリーズの特徴
- センターハブ
- テントの構造体としての剛性を高めるために、ポールの交差部をハブで半固定しました。部品はDAC社の「SwiveIH9783」を採用。
- スクリューフック
- テント本体とポールを接続する部品は、対抗する2本のフックを回転することで固定。
- 倒立スリーブ
- テント本体四隅は、スリーブによりポールと接続。剛性を高めながら、使用中に破損しにくい構造。
- テント内部シーム処理
- シーム処理をしにくい四隅部分も特殊な方法でシーム処理。また、小物入れも装備。
- 蓄光自在
- 光をあてると右画像のようにひかり、暗い中で他テントと見分ける目安になります。
- ベンチレーション
- 外部との通気のためにベンチレーションを装備。雨風の強い日などに調整できるように絞りもつけています。
- テント内部ベンチレーション
- 内部にも絞りを入れ調整可能。
- ベルクロ仕様(内側)
- フライシートと本体ポールをしっかホールドします。強風対策安定性にも効果を発揮します。
- 接続バックル
- フライシートと本体を固定するワンタッチ式バックル。フライシート側のテープで張り具合も調整できます。
- コンパクト収納
- 挿入口の広い収納袋は、撤収したテントを収納するのも楽です。フライシートも専用収納袋付。
コラム
- 片側入口と両側入口
- テントは使用する人によって拘りがあり好みが分かれます。「スリーブ式VS吊り下げ式」「縦入口VS横入口」等々・・・。
それぞれに一長一短あり、考え方ひとつでどちらでも正解になります。さて、そこにきて最近「片側入口VS両側入口」の戦いの火ぶたが切って落とされました。
2018年に限定販売でVSシリーズの両側入口モデルを発表したところ思った以上の反響があり、多少重量が増しても両側に入口と前室があり、風通しの良さと居住空間の広いテントが多くの方に受け入れられました。しかしその反面、「シンプルに入口は一つ!!」丈夫さが売りの定番のVSシリーズが良い、という方も大勢おられます。「冬山も含め、ガンガン山に入って使い倒したい方」はシンプルな定番品を、「快適にベースキャンプを張って身軽になってピークアタックを・・・」という方には限定品の両入口タイプをお奨めいたしますが、さて、あなたはどちらのタイプですか?